この展示でオンラインを待って頂いていたお客様に本当にご迷惑をおかけした事をお詫び致します。今回はギャラリー内のみの展示となりますが引き続きよろしくお願い致します。
今回の展示の二人の作家紹介を作品とともにこの山の上の小言で紹介していきたいと思います。
また作品の問い合わせも受付ますので山ノ上のメールよりよろしくお願い致します。
松田 苑子 Sonoko Matsuda
この間、雨の前の匂いがして、ふと、幼い頃の私は、もっとずっと、簡単に植物や空や風と繋がれていた気がする。って思いました。小学校から家にもどって、ランドセルを置いたら、多くの時間は木の上にいたり、土の上にゴロゴロして土の匂いを感じながら空を眺めたり、せっせとご飯を運ぶ蟻たちを追いか
けて家を突き止めたり、花の匂いを嗅いだり、ひたすらブランコでぶらぶらしたり。そんな風に時間を過ごして、そうして、日が暮れて、暗くなる前に家にもどる。
そうやって、生きている世界と充分に関わりながら過ごしていたように思うのだけれど、大人になるにつれて、そういうものと少しづつ距離ができて、大学生になるころには完全
に違う世界に存在するものとして認識するようになった。
最近、自然の多い土地に住むようになって、少しづつ昔の感覚を取り戻してきているような気がします。
今、私がやっている事は、離れてしまった距離を少しでも縮めるように、素直に好きだと思うこと、綺麗だと思うものを手元に戻そうとしている事なんじゃないかな。
近頃は、そんな事を考えながら「ときの箱」を作っています。
荒谷 翔 Shoh Araya
植物の灰を基調とした釉薬というのは、陶磁史の中で一番古い技法の一つですが、
植物の種類によって実に様々な表情を見せてくれます。
この灰釉と呼ばれる技法で身近な自然の表情や旅をしてみてきた色を植物や土の組み合わせで出し、
その風景を器に落とし込み制作をしています。